子供の歯列矯正とは
歯列矯正治療の実際
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笑った時に見える歯が白くまっすぐに並んでいれば、とても美しいものです。 もちろん人の価値は外見のみで決まるわけではありませんが、美しく整った歯は人に自信を与えます。 また、整然と並んだ歯は健康にも良い影響があります。 歯列矯正とは、そのように理想的な歯列になるように矯正していく処置のことです。
元々、歯は力を加えると、そのまま力の方向に移動していくという性質を持っています。 歯茎に永久的に固定されているわけではないのです。 歯列矯正では、その歯の性質を利用することで歯を少しずつ動かし、理想的な並びに変えていきます。
多くの場合は口の中に矯正器具を入れて、少しずつ一定の力をかけていきます。 期間はケースによって違いますが、数ヶ月から数年というプランで行なわれます。 良くない歯並びや噛み合わせは一生影響を及ぼすものですから、できるだけ早く処置すると有益です。 大人になってからでも遅すぎるということはありませんが、骨が軟らかく成長途中にある子供の時期のほうが、スムーズに矯正が進みます。
子供の歯は、まず生後6ヶ月前後から乳歯が生え始めます。 そして一般的には3歳になるころには20本生えるようです。
乳歯はどうせ生え変わるから、虫歯になろうと歯列がずれようと構わない、ということはありません。 乳歯は永久歯の水先案内人ですから、乳歯が健康だと永久歯も健康になります。 ただ、乳歯のころは一般的な矯正治療は行ないません。 あごが発達している途中ですし、骨もまだ軟らかい状態ですので、無理に外部の力を加えることは避けるのが一般的です。
乳歯から永久歯に生え変わる時には、永久歯が適切な位置に生えてくるようにサポートする意味で、少し矯正することができます。 奥歯や前歯の生えてくる様子を見ながら、事前にトラブルを予知して予防することが主な目的となります。 6歳前後のこの時期から歯医者さんとよく相談して処置しておけば、永久歯が生えそろってから矯正しなければならないという状態にはならないことでしょう。
歯医者さんにこまめに通う必要があって大変ですが、後々のことを考えて定期的に検査・ケアしてもらうことは賢明です。
多くの場合は、小学校入学前後に永久歯が生え始め、小学校卒業前後の時期に28本が生えそろいます。 この時期、乳歯と永久歯の両方が存在している小学生の矯正治療は、どのようなものになるでしょうか?
小学生は、乳歯が抜ける順番、歯が生え出てくる順番、歯の大きさなどに個人差がありますので、注意が必要です。 歯列の面から考えると、問題が発生しやすい時期であると言えるでしょう。 乳歯と永久歯が混在していることもあり、歯並びが悪いとすぐに分かる時期ですから、気づいたら早めに専門医に相談することが賢明です。
この時期は、歯列矯正というよりも、あごが正しく発育するようにサポートすることが多くなります。 永久歯が生えて適切に配置されるためには、それだけのスペースが必要です。 あごの骨や関連する神経も発達途中ですから、それらをうまく誘導することが大切でしょう。 とくに最近の子供たちはあごが小さくなっている傾向がありますので、全ての永久歯のスペースがなくて歯列が悪くなるというケースが多いものです。 この時に適切な処置を行なっておけば、歯を抜いてバランスを取る必要はなくなりますので、歯列矯正に適した時期であるとも言えます。
歯が生えそろっていなかったり、あごの発達が途中であったりする小学生のころと、中学生や高校生の歯列矯正は少し異なります。 通常は14歳〜16歳ごろであごの成長は完了し、骨格も定まってきます。 この時期以降は、あごの成長を利用して歯列を矯正することはできなくなりますので、歯そのものに処置を施すことが主な方法となります。
永久歯が生えそろい、あごの発達も終了している時期は「永久歯列期」と言われます。 この時期に入ると、以後は何歳になっても自然に歯並びが変化することはありません(虫歯になって歯を抜くことなどがあると変化することもあります)。 歯と歯茎が健康な状態であれば、中高生も大人も同じ矯正治療ということなります。
小学生のころはあごの発育を利用して歯を誘導していくことができますので便利ですが、矯正器具をつけて生活することに大きな負担を感じる子もいます。 その意味では、ある程度精神的に落ち着いた年齢になってから矯正するほうが良いと言えるかもしれません。
歯並びのこと、歯列矯正が必要かどうかということは、多くの場合は永久歯が生えてくる頃から気になり始めます。 乳歯のころから目立って歯並びが悪いというケースは少なく、大きな永久歯が生え始めてから「大丈夫かな?」と感じることが多いようです。
永久歯はその名の通り一生のパートナーとなる歯ですから、少し歪んで生えているとすぐに矯正したくなるかもしれません。 しかしじつは、永久歯が生えそろうと共に、歯列も自然治癒する可能性もあるのです。
歯が生え変わる時は、乳歯が一斉に抜けて永久歯が一斉に生える、というわけではありません。 少しずつ生え変わっていくもので、その時にうまく永久歯のスペースが確保できていないことがあるのも、無理はありません。 しかし徐々に乳歯が抜け、あごが発達することによって、自然としかるべき配列になっていくこともあるのです。
もちろん全てが自然治癒するというわけではありませんが、すぐに矯正しなくても済む場合があります。 焦らず、じっくり専門家と話し合うことが先決でしょう。
歯列矯正の治療は、大人になってからでも可能です。 方法の違いはあるものの、通常は歯と歯茎が健康であれば何歳でも行なうことができます。 では、あえて子供の時期に矯正治療を行なうメリットはあるのでしょうか?
まず、大人になってから忙しい中で治療を行なう必要がなくなります。 子供の時期も塾や習い事などで忙しいこともあるかもしれませんが、やはり大人のほうが忙しいと言えるでしょう。 また、歯列矯正の益(歯磨きがしやすい、歯周病予防になる、あごや身体のバランスが良くなるなど)が、早い時期から及ぶことになります。
また、子供のころの矯正治療の大きな特徴のひとつは、あごの成長を利用できる点です。 歯を動かすと共にあごの成長もコントロールしつつ行なえますから、抜歯する可能性が低くなります。 そして成長に合わせて歯列矯正しておくことで、大人になってから再度治療する場合でも、効率よく処置できるというメリットもあります。
いつでも治療できるとはいえ、早く行なうことで得られるメリットを考えると、子供の時期が最適であると言えるでしょう。
子供の時期に歯列矯正を行なうことは、親も子供も大変です。 時間やエネルギーを費やすことを考えても、歯列矯正は行なうべきでしょうか?
ケース・バイ・ケースではありますが、歯列矯正にはこのようなメリットがあります。 まず審美的な効果がありますので、親も子供も自信を持つことができるでしょう。 また健康面でも良い効果があり、歯並びが良くなると歯のケアも行ないやすくなります。 効率よく歯磨きをすることができ、それは歯の健康を保つ上でも重要なことです。
また、バランスの良い噛み合わせになることで、正しい発音が身に着きます。 あごも適切に発達し、脳の成長、身体のバランスも向上します。 そして、歯並びが悪いというコンプレックスもなくなり、社交性や積極性が増すことにもなるでしょう。
子供のころに歯列矯正の適切な治療をおこなっておけば、これらのメリットが早く訪れます。 金銭的にも時間的にも犠牲が求められますが、検討する価値はあると言えるのではないでしょうか。
数々の益を及ぼす歯列矯正ですが、気をつけなければならないデメリットはあるでしょうか?
まず、多大な時間と費用を必要とすることは覚えておかなければなりません。 歯列矯正は短くても数ヶ月、長いと数年という時間、そして数十万から100万円以上の費用を必要とします。
また、矯正治療が完了すれば見た目も美しくなるとはいえ、矯正の途中は矯正装置が見えて恥ずかしい思いをするかもしれません。 子供たちの中には、これを嫌がる子もいるようです。
そして、それだけの期間我慢してお金を掛けても、必ず理想の歯列が完成するとは言えません。 もちろん成功率が低いわけではありませんが、矯正歯科の先生のテクニックが大きく影響します。 また、親子の理想とする歯並びと、医者が考えている歯並びは、必ずしも一致しないこともあるのです。
矯正治療のメリットはたくさんありますが、こうしたデメリットもあることを覚えておきましょう。 性急に結論を下して時間とお金をつぎ込むのではなく、まずは正確で詳細な情報を集め、慎重に決定していきたいものです。 特に子供の矯正治療は、その子の一生に関わることを忘れないようにしましょう。
歯列矯正中は、通常通りの食事はできるのでしょうか? 特に食事制限はありませんが、矯正器具を着けるとその力に沿って歯が動き始めますから、1週間前後痛みが生じることがあります。 子供たちはこれがストレスになる場合がありますから、十分にフォローしてあげましょう。
また、矯正装置を装着していることで、思うように口を動かせないかもしれません。 慣れるまでは食事をしにくい状態ですから、食事の量が減ることも考えられます。 大人ならダイエットもできて一石二鳥と考えられるかもしれませんが、成長期の子供たちに関しては、食が細くならないように注意してあげる必要があるでしょう。
矯正中にとくに食べてはいけないものはありませんが、矯正器具にからみつくようなものは避けるのが賢明です。 ガムや餅など、粘り気があるものは器具に付着して取れなくなることもありますので注意してください。
口の中に物を入れることは、治療とはいえ慣れるまでは時間が掛かります。 子供たちの精神的ストレスの原因にもなりますので、よくケアしてあげることが必要です。
歯列矯正は、あごが発達途中である小学生〜中学生の間に行なうと効果的です。 しかし、よく動きスポーツも楽しむ年齢であるこの頃に矯正治療を行なうことは、何か影響があるでしょうか?
歯列矯正中に、特定のスポーツが禁止されるということはあまりありません。 ただ、口の中に矯正装置を取り付けることになるため、怪我をしないように注意は必要です。
口の中に入れる矯正器具は、金属・プラスチック・セラミックなど種類は様々です。 器具自体の硬度も様々ですが、比較的軟らかい材質であると言っても、歯やあごを動かす力を加えるための装置ですから、それなりの硬さになります。 それで、矯正器具によって口の中を傷つけないようには注意が必要でしょう。
スポーツ、特に人や道具との接触が盛んにあるスポーツでは、ブレスガードというカバーを装着することができます。 プラスチック製の、口の中を保護するための道具ですから、これを活用することで怪我の危険を減らすことができます。 口の中を怪我すると矯正治療を中断することにもなりかねませんから、スポーツをする際には普段よりも注意深くあることが必要になります。
歯列矯正を行なうためには、数年掛かることも珍しくありません。 小学生や中学生のころに矯正治療を行なうと、一部の習い事に弊害が生じることを心配する方もおられます。
たとえば管楽器などの楽器演奏を行なう際、歯列矯正装置を口の中に入れることによるデメリットはあるのでしょうか?
治療中は歯やあご、舌の動きが幾らか制限されることになりますから、ある程度の影響はあります。 慣れるまでは食事を取りづらいことも多いですから、楽器の演奏にも違和感を感じることがあります。 最初はかなり気になってしまうかもしれません。
矯正中に楽器を演奏してはいけないということはあまりありませんから、慣れるまでがんばることもできます。 また歯医者さんと相談しながらになりますが、着脱式の装置にしてもらい、楽器演奏の練習中には器具を外すという方法もあります。 その場合は矯正の期間が変化するかもしれませんから、慎重に決定してください。
しかし、そもそも歯が生え変わることによる変化もあるわけですから、多くの子供たちは矯正器具にもすぐに順応するようです。